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Advanced Materials Development for Energy Applications (2013/3/14 九州大学)

2013/03/14

■日時: 2013年3月14日(木) 13:30-16:50
■場所: 九州大学伊都キャンパス ウエスト2号館3階 327号室
    (システム情報科学研究院 第7講義室)
■講師: Prof. Venkat Selvamanickam
■所属: University of Houston, U.S.A.
     www2.egr.uh.edu/~vselvama/index.html
■演題: Advanced Materials Development for Energy Applications

【概要】
Selvamanickam教授のグループは、可塑性のある多結晶金属基板上に高度に配向した薄膜を形成するイオンビームアシスト成膜(IBAD: Ion Beam Assisted Deposition)法を用いた技術をもとに、特に高性能高温超伝導線材の開発において先導的成果を挙げているグループとして、世界的に知られている。本講義では、エネルギー応用に関する以下の三つの分野における先進材料開発について、初学者にも分かり易く講義を行って頂いた。
(1) 酸化物高温超伝導テープ線材の開発:Selvamanickam教授のグループは、現在希土類系高温超伝導(RE-123)テープ線材の商用生産を開始している、SuperPower社の技術的バックアップを担うパートナーとして知られている。本講義では、最先端のRE-123線材の開発現況と今後の展望についてご紹介頂いた。
(2) 酸化物熱電材料の開発:熱を直接電気に変換できる材料として、熱電材料はその応用が期待されているが、高効率化の為には高いゼーベック係数、高い電気導電率と低い熱伝導率を両立する必要がある。ナノ組織を制御した薄膜構造を用いることで、電気伝導度を損ねることなく熱伝導度を抑制でき、熱電変換性能を飛躍的に向上できる可能性が指摘されている。本講義では、酸化物材料を用いた高性能熱電材料の開発現況について紹介頂いた。
(3) IBAD法を用いた高効率太陽電池の開発:IBAD法を用いて、金属基板上に高度に配向した単結晶的GaAs膜の成膜技術が確立されており、本手法をもとに低コストでかつ高効率太陽電池への展開が期待されている。本講義では、多結晶金属基板上へ形成する、薄膜型太陽電池セルの形成に関するプロセス技術の紹介を行って頂いた。

【学生の関わり様】
他大学からも学生の参加があり、予定した講義の終了後も、Discussionのための時間を30分延長し、活発な質疑応答が行われた。世界最先端の研究に触れて大いに刺激を受けた様子がうかがえた。参加者からは、超伝導に代表される先進エネルギー材料の開発状況を知る良い機会であったと共に、各自が日頃取り組んでいる研究との関連や、今後の技術課題の理解に大変有益な講義であったとの声が聞かれた。また、アンケートからは、英語の講義を体験する良い機会であり、コミュニケーションの重要性を再認識する契機ともなった事も読み取れる。
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